海外送金ポリシー:日本

海外送金ポリシー:日本

Feb 24 2021

日本居住者および企業による海外への送金は、全て金融庁と財務省によって規制されています。

金融庁はマネーロンダリングに取り組むため、全ての金融機関に対して基本的な確認事項などを通達しました。

  • 基本的な確認項目には次のような点です。
  • 送金を申し込んだ支店で取引をする理由
  • 顧客またはその従属支配者が資金調達のリスクが高い国/地域に属していないか
  • 短期間で送金する理由
  • 顧客の年齢、職業、事業内容などを考慮して、送金目的や送金額に不合理な点はないか
  • 口座開設時の取引目的と送金依頼時の送金目的が一致しているか
  • 取引の頻度や金額に不合理な点はないか


政府の管理

金融テロを防ぐため、日本政府は200万円(18,777ドル)以上の海外送金を日本銀行で監視しています。

取引を行う銀行や送金業者は、送金の詳細を日本銀行へ提供する必要があります。また、 顧客は本人確認のため、運転免許証などの個人情報の提供を要求されることがあります。

外国為替及び外国貿易法によると、日本と外国との間で3,000万円(280,200ドル)を超える支払いがある場合、財務大臣への報告が義務付けられており、「支払・受取報告書」の提出が必要となります。


このような支払いや受け取りには、日本円や米ドルなどの法定通貨を使用するものだけでなく、仮想通貨を使用するものも含まれます。

日銀法によると、金融政策金融機関は「政府との緊密なコミュニケーションを継続し、充分な意思疎通を図る」必要があるとしています。

政府が設定した海外送金の限度額については、インターネット上で公開されていませんが、銀行や送金サービスが公開しており、

銀行は送金サービスよりも1回あたりの送金限度額が高くなっています。

送金サービスでは、1回の取引につき50万円(4,600ドル)から100万円(9,200ドル)の間で上限を設定していますが、

銀行は1回毎ではなく1日あたりの上限を設定しており、100万円から1,000万円(92,800ドル)で設定されています。

例えば、ゆうちょ銀行と日本郵政公社はマネーロンダリング対策として、海外送金の限度額を1日500万円(46,500ドル)に制限することを計画しています。


  • 必要書類について(個人)
  • 日本から送金する場合
  • 送金目的、受取人との関係、送金資金の資金源、送金者の職業、受取人の国籍、居住地、生年月日
  • 日本への送金を受け取る場合
  • 支払目的、送金者との関係、受取人の職業、送金者の国籍、居住地、生年月日
  • 取引が規制されている国家ではないか(北朝鮮、イラン、キューバ、シリア、クリミア)


  • 必要書類について(法人)
  • 取引内容を確認するための書類(契約書、請求書、請求書、輸送書類など)
  • 送金資金を証明できる書類
  • 本人確認書類、会計資料など


  • OFAC(外国資産管理局)
  • 米ドルでの送金は、日本では「OFAC規制」の対象となります。 OFAC規制は、以下のような外国為替取引に適用されます。
  • イラン、スーダン共和国、北朝鮮、シリア、クリミアが取引の当事者、関係国、関係場所に含まれる場合
  • ミャンマーが関係する取引の場合、国防省、軍隊またはその他の武装組織が関与する取引


制裁対象国への送金に関する規制が適用されることが多く、日本は上記規制を厳しく監視しています。

正当な目的であっても、送金手続きを受け入れない場合があります。


銀行送金手数料と制限

日本の大手銀行である三菱UF銀行、三井住友銀行、みずほ銀行を例にすると、海外にある日本の銀行の平均送金手数料は約6,000円(56ドル)です。


銀行ではないオンライン送金業者

日本は2010年に銀行以外の企業が送金サービスに参入することを許可しましたが、100万円(9,000ドル)の上限が設定されました。

100万円以上の送金は主に企業間で行われるため、銀行が独占することができましたが、今年から日本で運営されている送金サービスでは9,000ドル以上の送金が可能となりました。

日本での主なオンライン送金業者は、Western Union、MoneyGram、GoRemitなどです。


仮想通貨ポリシー

日本は最も活発な仮想取引市場の1つです。仮想通貨交換事業はPayment Services Actによって規制されており、仮想通貨交換ビジネスは金融庁(FSA)に登録されています。

仮想通貨取引に関する法律は、マネーロンダリング防止法に準拠する必要があります。Payment Services Actでは、「仮想通貨」を商品やサービス購入の対価を支払う目的で使用され相互に交換可能な財産的価値(電子機器に記録されたものに限る)と定義しています。

今年、衆議院は仮想通貨関連の2つの法律、決済サービス法と金融商品取引法を改正しました。

仮想通貨交換や取引サービスを提供していない場合でも、金融庁(FSA)への登録が必要となり、取引所は仮想通貨の保管方法を変更する必要があります。

仮想通貨が3,000万円相当を超える場合は、外国為替および外国貿易法と同じ規則が適用され、財務大臣への報告が必要です。

報告が必要な仮想通貨取引の主な例は以下の通りです。


  • 仮想通貨を売買するための取引で、取引のために法定通貨、仮想通貨で支払いまたは支払いの受領が行われた場合
  • 仮想通貨を交換する取引
  • 仮想通貨を送金する取引
  • 仮想通貨に関連する取引から生じる利益、配当、手数料に関する支払いまたは受領
  • 仮想通貨に関連する取引を預託または委託する際の預け入れまたは支払いの受領
  • 商品、サービス、または金融に関連する取引があり、その取引に対して仮想通貨で支払いまたは受領した場合


ATMの引き出し

1日あたりの引き出し限度額は法律では定められておらず、銀行毎に設定されています。

当社調べによると、銀行は平均1日あたり50万円(4,600ドル)を基本として設定されていますが、顧客がオンライン上で変更することもできます。

ATMでは1万円以下(93ドル)の場合、引き出し手数料は108円(1ドル)で1万円以上(93ドル)の場合、手数料は216円(2ドル)です。

また、カードの種類に応じて追加料金を発生する場合があります。


クレジットカード

日本市場には、Orient Corporation(Orico)やLINE Payなどの独占企業があります。 VisaはOrient Corporation(Orico)およびLINE Payとの協業で、日本での新しいクレジットカードの発行に同意しています。日本のカード所有者にはポイントが付与され、Visa非接触決済を使用した際に恩恵を受けることができます。

日本で発行されたクレジットカードは、海外での使用に制限はありません。 基本的にVISA、Mastercard、およびJCBブランドは海外で使用できます。

限度額は個人によって異なり、クレジットカードを申請する際の収入によって決まります。

外国人が日本でクレジットカードを使用する場合、 人気の高いVISAやMasterCardが発行したクレジットカードであっても、ICチップのないカードは使用できません。

また、加盟店はクレジットカード用のICチップリーダーの設置が義務付けられています。

クレジットカードで海外に送金する場合、Paypalなどのオンラインプロバイダーを使用してのみ送金できます。


日本でのプリペイドカード

日本でのプリペイドカード使用に関する情報はそれほど多くありません。

しかし一部の地方銀行やLINEのような企業が、VISAやMasterCard、JCBのプリペイドを発行しています。


日本への送金

送金額に制限はありませんが、200万円以上送金する場合は身分証明書の提示が必要となります。

例)運転免許証、保険証。 3,000万円を超える場合は、報告書を提出する必要があります。 (外国為替および外国貿易法-第55条)


日本向けのSTICPAY

STICPAYでは、日本円でのアカウントの開設、1〜2日以内の国内銀行入出金、STICカード(UnionPayとのパートナーシップ)を提供しています。


参考:

Asia Nikkei - Japan to open doors to nonbank money transfers

Japanese Law Translation - [Law text] - Payment Services Act

Ministry of Finance Japan - 最近の外為法改正

Hokane Osuko - 外国人でも確実にクレジットカードを作るポイントとおすすめ4選

Masemon - 海外発行 クレジットカードが使えない!日本で使う 手数料 外国人

Financial Service Agency Japan - 金融機関等における送金取引等についての確認事項について

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Kokugaisoukin - 国外送金・海外送金に関する「お尋ね」対応・税務署対策|信成国際税理士法人

Mizuho Bank - 海外送金・国際送金を利用したい

SMBC 外国送金 : 三井住友銀行

MUFG - 外国送金

JETRO - 海外向けに米ドル建ての送金を行う際の制限

SMBC - 外国送金 > 米国OFAC規制

Cointelegraph - Japan Hopes to Set Global Crypto Law Benchmark With Latest Regulatory Update

JETRO - 海外向けに米ドル建ての送金を行う際の制限 | 貿易・投資相談Q&A - 国・地域別に見る

Japan Times - Japan Post Bank to cap overseas remittances to ¥5 million a day to tackle money laundering

Line Corp - [Japan] Visa, Orico and LINE Pay Agree to Issue Visa Credit Card | ニュース | LINE株式会社